【留学経験なし】二年でフランス政府給費留学生(奨学金)になるためのフランス語勉強法

【留学経験なし】二年でフランス政府給費留学生(奨学金)になるためのフランス語勉強法

Bonjour à toutes et à tous ! 私はフランスの大学院でフランス文学の研究をしているのですが、実を言うと、はじめに入った日本の大学では文学部にいたわけではありませんでした。当然、学部時代に留学した経験も一切ありません。ということもあり、学部の頃からフランス語を長く続けてフランスに来てる人とは辿ってきた道程がかなり違うと思います。だけれどもフランス政府給費留学生の試験に合格し、フランスで研究生活をすることができています。今回は自分がどのように勉強してきたのかを振り返ってみます。

フランス政府給費奨学金の書類作成、面接対策についてはこちらの記事を参考にしてみてください

 

フランス語を学び始めるまで

フランスに来ている人の勉強量(目安)

フランスに着いてから思ったのは、彼らは日本の学部(文学部やフランス語学部等)、あるいは高校時代から一生懸命フランス語を勉強してきているということです。また、学部時代に一年間の留学経験をしている人も多いです。したがって、少なくとも学部4年、それに加え留学期間1年、日本の修士にそのまま進んだ人はさらに2年、つまり合計4年~7年ほどフランス語の勉強をしていることが普通ということになります。

フランス語をやっていなかった学部時代

それと比べると私は、学部時代、フランス語の勉強に割いた時間は本当に少ないです。何より、私は学部の頃は経済学をやっていました(期待インフレ率と消費について)。本当は文学をやりたかったのですが、色々と事情があったのです。フランス語は第二外国語で選択したのみで、しかも学部のはじめの何年かでやめてしまいました。フランス文学には関心があったので翻訳は読んでいたのですが、原文を読むこともほとんどありませんでした。かっこつけて購入はしていましたが。当然フランスに一年間も長期留学した経験もありませんでした。フランスに実際に行ったのは、旅行等で滞在しただけで一ヶ月にも満たしません。また、キャンパスに日本に留学してきているフランス人もいたのでしょうが、社交的でなかった私には全く友達もできませんでした(本当にもったいなかったなと思います)。

フランス語に触れる暇すらない二年半の就職期間

そんなフランス語にふれる機会の乏しいもったいない学部時代を過ごした後、私は就職しました。就職先はウェブやコンテンツの企画、制作を行う会社でした。毎日朝から晩まで働いていたので非常に忙しかったです。9時から24時までなんて普通でした。今振り返ると色々な経験ができて楽しかったし、少しずつ社交性も身についたので良かったのですが、とにかくフランス語なんてやる暇もありませんでした。しかし、文学に対しての関心は依然として持続していたし、どうしてもそれを諦めきれなかったので大学院に進学して文学を専攻しようと決意、退職しました。当時悩んだのがフランス文学を選考するか英米文学を選考するかという点でした。私はフランスの詩とイギリスの詩に関心があったのと、フランス語より英語の方ができたので悩んでいたのです。結局、フランス語の詩人をやらねば後悔することになると思い、最終的にはフランス文学の道へと進んだのでした。

留学のために二年間フランス語の勉強としてやったこと

フランス文学を専攻したはいいものの……

基礎的な文法事項を学んで院試をなんとか突破し無事に日本の大学院に入れたはいいものの、本当にフランス語能力不足を痛感する日々でした。フランス人の先生が話していることを雰囲気でしかわからない、原文の意味を初歩的なレベルで取り違える等々。誰もがそうだと思いますが悔しい思いをたくさんしましたし、できる友人たちと自分を比べたくさんのコンプレックスを覚えました。「自分は元々違う畑にいたから……」なんて思わないこともなかったですが、そんな言い訳誰も聞いてはくれないので、どうやってフランス語を使えるようになるか、それについて多く考えました。そして、次のような勉強をしました。

フランス語を読む

当たり前ですが、フランス文学を専攻している以上フランス語を読むしかありません。自分の研究対象の作家やその周辺、そして文学史に名を残す有名作家のテクストをとにかく多読しました。もちろん意味がわからない言葉に出会ったら辞書を引きます。その際に注意したのが仏仏辞書を使うことです。フランス語をフランス語で説明しなければフランス語を使えるとは言えません。だから、言葉がフランス語で定義されている仏仏辞書を使い、フランス語を身体に染み込ませることが重要だと考えました

仏仏辞書としてのおすすめは、多くの人が書くように『ラルースやさしい仏仏辞典』です。私は Niveau 1 しか使ったことがないのですが、イラストも多く、説明も豊富で使いやすいです。その後はプチ・ロベールを使っています(フランス人の先生もプチ・ロベールを使うよう言っていました)。

 

外国人が書いたフランス語を読む

原文テクストを読むのと同時に、私は外国人が書いたフランス語を読むことにも重点を置きました。というのも、外国人のフランス語表現にはシンプルで使いやすいものも多く、真似がしやすかったからです。ノン・ネイティヴがフランス語を書くときどのようなテクストになるのか、どのような表現が使われているのか、どのように文章を構成するのが良いのか、そのような点を学べると思います。具体的にはフランス語エッセイ、小説、それから研究論文を読むことが多かったです。フランス語を学ぶ苦悩が綴られたナンシー・ヒューストンのエッセイや、日本企業で働くベルギー人女性を描くアメリー・ノートンの小説等は、想像しやすくて良いと思います。

 

同じ日本人ということもあり、言い回しがなんとなく日本風だったりして意味を取りやすいというのもあります。ただし使用されている言葉や表現そのものは難しいものも多いので、そういうのに出くわすたびに辞書を引き、一つでも多く覚えられるようにしました。

フランス語を書く

読んだものは書いて実践することが重要だと思います。私の場合、まず大学の授業の課題でフランス語で何かを書くことを覚えました。その際に Dissertation のことも知りました。フランス語で何かを書く際、特に学術的なもの(論文、レポート等)を見据える場合は、構成をしっかり整える必要があります。このことについては別途記事にできればと思います。

大学の外では、フランス人の友達を作ることでフランス語でのメールのやり取りをすることができました。友達の作り方ですが、Google や Facebookページで検索すると、日本語を学びたいフランス人がたくさんいることがわかります。だから、彼らとチャット(あるいは言語交換)をし、実際にあってみて、仲良くなるというのが一番簡単かもしれません。彼らと仲良くなると、その友達、そのその友達……と世界が拡がります。この辺を学部の頃からやっておけばよかったっと心底後悔しています。笑

言語交換についてはタンデムがおすすめ。こちらの記事も参照してみてください

フランス語を話す

読み書きは時間差がありますし辞書も引けます。しかし話すときにいちいち辞書を引いてはいられません。フランス語でのコミュニケーションにおける反射力を身につけるためにはとにかく話すこと! だと思います(実際、私の妻ほーしーはフランス語やスペイン語を話しまくりながら見事に習得しました)。私は日本で知り合った友達と定期的に会いつつ、フランス語を話す訓練をしました。また、フランス語で行われる大学の授業にはほとんどすべて出席し、(ある意味では過剰なまでに)発言をしていました。拙い表現で伝わらないことも多々あるのですが、なんとか話してみるというのが大事だと思います。先生も友人も優しく、こんな私でも受け入れてくれたのは感謝しかありません。

ところで、日本にいるとフランス語を話す機会を見つけるのが難しい、という気持ちは良くわかります。上に書いたように友達を見つけられればいいのですが、そうでなければフランス語のプライベート・スクールに通うのもいいかもしれません。私もフランス語のプライベート・スクールに通っていた時期があります。欠点はある程度都会でなければフランス語教室を見つけ難いことでしょうか。

フランス語を聞く

聞く訓練は、話すことと連動しています。友達を見つけることやフランス語での授業を受けることが一番かもしれません。後は多くの人が指摘しているようにラジオを聞くことでしょうか。最も有名なのは Journal en français facile (RFI) かと思います。https://savoirs.rfi.fr/fr/apprendre-enseigner/langue-francaise/journal-en-francais-facile これはスクリプトもネットに上がっているのでシャドーイングもできて良いかと思います。

ラジオは音声だけなので、映像があったほうがわかり易いかもしれません。その場合、Merci professuer ! という動画もおすすめです。あるフランス語の単語の語源や使用法等を23分で説明してくれるので毎日続けるとかなりのフランス語聞き取り能力が身につくかと思います。http://www.tv5monde.com/cms/chaine-francophone/lf/Merci-Professeur/p-17081-Merci-Professeur.htm

それから youtube を活用しない手はありません。私はフランス語の音楽を聞いたり、”Bref” というTV番組を見たりしながらフランス語を聞く機会を増やしました。

フランス政府給費留学生(奨学金)に合格、渡仏、そして……

フランス政府給費留学生に合格

ごくごく簡単ですが、上記のような勉強のやり方を大学院修士課程の二年間続けました。いわゆる問題集をたくさん使った勉強のやり方ではありません(もちろん文法書はもっていますが)。成果としては、運良く、フランス政府給費留学生に合格したことが挙げられます。この選抜試験では一次試験で研究計画(日本語、フランス語)、二次試験で面接(フランス語)があり受験者のフランス語能力が見極められます。それに合格し、奨学金を与えるにふさわしい人物とされたということは、フランス語能力に関してある程度の水準に達することができたのかなと嬉しかったことを覚えています。

ただし、これはほとんど毎日ですが、やはり長くフランス語に触れ続いてきた人たちと自分を比べると、言語に対する「感覚」「勘」のようなものに差を感じます。これを埋めていくためには、毎日フランス語の勉強を続けていくしかないと思うので、何らかの試験に合格しても油断しないようにすることが肝要だと思います。

フランスについて足りないと思ったこと

最後に、実際にフランスについて足りないと思ったことを書いておきます。それは、ネイティヴが使用する自然な表現を同じように選択する能力です。フランス人の友達にもよく言われるのですが「話し言葉と書き言葉はぜんぜん違う」のがフランスです。また、日本でもそうですが、若者特有の表現や言葉もあります。アルゴ(隠語)とまでいかなくとも、どういう表現をするのが自然なのか、という点は日本にいたときには学べてなかったなと日々痛感しています。

たとえば、du coup とか carrément は話し言葉向きです。文章でも使う言葉だとしても quasiment néanmoinsalors que といった言葉、表現はどちらかというと話し言葉向きらしいです(フランス人の友達談)。この辺りは実際にパリで住み始めて少しずつ体得しているところです。

幸いにも私の場合、妻のほーしーが友達から教えてもらった表現等を共有してくれるので勉強になります。「そんなの自然な表現じゃないよ!」と家で言われることもしばしば……。しかし、反復を通じて表現を磨いていくしかないかと思うので、話したり書いたりと繰り返していくのがフランス語上達の王道なのかなとは思います。

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