【パリ大学】大卒でない私がフランスの大学(Licence:学部)に正規入学するまで(1)~動機編~
- 2020/05/02
- 留学・ワーホリ
※この記事は
▶【パリ大学】大卒でない私がフランスの大学(Licence:学部)に正規入学するまで(2)~出願手続き編~
▶フランスの大学に出願が間に合わなかった、志望大学にすべて落ちた私がそれでも大学に入るまで ~執念の大学入学編~
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Bonjour à toutes et à tous! コロナウィルスの影響で自宅待機中も大学の課題が引き続きネットで出るのでひーひー言っているほーしーです!今回は日本で大学に行ったことのなかった私が、フランスで国立大学のリサンス(学部)に入学できるまでの体験談をご紹介したいと思います。フランスの大学に行きたい!と考え中の方の参考になれば幸いです(^^)今回は第一弾、大学進学に至る動機編!
どうしてフランスで大学に行こうと思ったか
フランスでパティシエから大学生へ
まずなんどもパリマセに書いてある通り、私はフランスに来た当初パティシエでした。フランスの文化や歴史、郷土菓子に憧れて、フランスで働きたい!という夢をもって渡仏してきた典型的なワーキングホリデー パティシエでした。
ただ少し特殊だったのは、日本でパリの博士課程に進学予定の大学院生と結婚していたということ。リヨンでのワーホリを終え、パリのたーしー(夫)に合流したのですが、そこからの問題と言えば私の滞在許可証でした。
そして結局、当初予定していた配偶者ビザや就労ビザはもろもろの事情で上手くいかなかったので、学生ビザを選んで語学学校に行くことになりました(B1+のクラスから)。語学学校で学びつつ、お菓子屋さんで販売のアルバイトする日々。お菓子作りが恋しく葛藤もありましたが、元々好きだった歴史や文化の学校の講座にのめり込み、もっと高いレベルで勉強がしたいと考えるようになりました。そういえばパティシエという職業を選んだのも、お菓子が好きだったことに加え、ヨーロッパの歴史や文化に対する興味、実際にフランスに行って働ける職業は何だろうと考えたことが一つの理由でした。
この頃はちょうど自分のパティシエとしての今後のキャリアも考えていたところで、お菓子に関わりながらも私にしかできない仕事は何かを考えていました。古いものを残していくのが難しい現代で“お菓子歴史家”になりたいなら、もっとフランス語と歴史に関する知識を底上げしないと!いつか尊敬するオーボンヴュータンの河田勝彦 シェフ、大森由紀子先生に近づきたい!と、愛読書の河田勝彦著『フランス郷土菓子』をめくる日々でした。
フランスの大学に入れるのか
そんな悩みを抱えた私にフランスの大学進学を勧めてくれる友人もいたのですが、私にはそれに踏み切れない理由がありました。日本で製菓専門学校に進学した私は、フランスの大学入学資格バカロレアに相当する“日本の大学合格証明”を持っていなかったのです。
かといってフランスの語学学校で滞在許可証を更新し続けるのは2~3年が限界と言われているし(勉強の成果を出さずに単に滞在目的で語学学校にいるとみなされると更新が却下される可能性がある)、その学費も高すぎて払い続けられません。そして就労ビザを探すにも時間(ビザが降りるまでに一年以上)と契約に納得のいく職場(販売員4年以上契約など)がありませんでした。
そんな中、日本人の美容師の友人がフランスの大学に志望するというので話を聞いてみると、なんと、フランスに居ながら、受験なしで日本の大学に登録できるとのこと!それがなるほど、通信教育で有名な“放送大学”だったのです。
放送大学
放送大学は必要書類さえ揃えれば2万程から登録でき(ここでは必要なのは入学資格なので、一学期分だけの学位取得無コースに登録)、手続きが済むとすぐに合格証明書が送られてきました。はがきサイズの小さなものでしたが、これを法廷翻訳依頼をして立派な証明書としてフランスの大学に提出することができました。
ちなみに放送大学の授業は通信とはいえとてもレベルが高く、教授も東大をはじめ有名大学の先生です。登録のためには最低1科目を取らなければいけませんが、1科目あたり一万円程度で追加できるのでせっかくなので私は自分の興味のあるものをふたつ取りました。教科書は日本の住所に届くのですが、放送はアプリで海外からも聴くことができます。全部が完璧には身につきませんでしたが、フランスの大学で勉強するにあたりちょっとした予習になり、入学金は無駄にはならなかったと思います。
まとめ
フランスの大学に進学したい理由は人によって様々だとおもいますが、Voilà、これが私のケースです。大学のフランス人の友達には大学に入った理由を滞在許可証目的のように冷やかされたこともありますが(※別に意地悪なヤツではない)、学費の高い日本の大学に行けなかった未練のようなものがずっとあったので、30歳になってようやく大学で勉強ができるということを本当に嬉しく幸せ思っています。(しかもずっと興味の中心だったフランスで大好きな歴史!)
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はじめまして、ほーしーさん。
子供の頃から海外に住みたいと思いながら、勇気が出ず日本で就職してしまい、
やっと29歳にしてカナダにワーホリに行って、その後専門学校に行き就職しようという決意が固まったところでした。
大学時代はフランス語フランス文学を専攻していたので、カナダでもモントリオールを滞在先にと決めていました。
しかし、英語の方は日常会話程度なので渡仏も視野に入れて情報収集していました。
ほーしーさんの記事はとても参考になりましたし、フランスの大学で学べていることがうらやましいです。
私ももう少し計画的だったら、高校卒業後はすぐ渡仏して語学学校に行って、フランスの大学に通っていたのにと思いました。
海外の良いところは何歳になっても勉強ができることですね。頑張ってください。
ぽんさん、はじめまして!コメントありがとうございます。
私は日本の大学に行けなかったので、ぽんさんはそこでフランス語を勉強されたということがうらやましいです(^^)
私は特に計画的だったわけではなく、いつも手探り状態で目の前のことをなんとか切り抜けている状態です。
(もしまだでしたらぜひ詳細はブログ~執念の大学入学編をご覧ください(^^;)
カナダで新しい沢山の素敵な出会いがありますように!応援しています!!
初めまして、ほーしーさん
放送大学の合格証明についてお聞きしたいのです。以前、特別支援学校教諭の免許を取得するため、放送大学の2学期3科目の履修をしたのですが、ほーしーさんの合格証明書のハガキが手元になく、放送大学の各種証明書の郵送の欄に合格証明書が見当たらず、成績、単位修得証明書で良いのでしょうか?もし、お分かりでしたら教えていただきたく、連絡させていただきました。ちなみにフランスでの就職の為の証明書です。
Kawakawa さま、
コメントありがとうございます。「フランスでの就職の為」にフランスの大学(学部)入学レベルの証明書を求められているとのことでよろしいでしょうか? ほーしーの場合、フランスの大学(学部)に出願するためにバカロレア相当の資格(=いずれかの日本の大学に合格したことを示す証明書)を求められていました。そのため、放送大学から届いた合格証明書を提出しました。
Kawakawa さまの場合、放送大学の成績や単位取得証明書をお持ちとのことですので、それらの書類をもって、その大学に合格済みであることがわかるのではないかと思われます。このような意味では成績や単位修得証明書で良いのではないかと思います。
最も確実なのはご就職先に確認することですので、一度問い合わせて見ても良いかもしれませんね。その他質問等ございましたらお気軽にどうぞ。