実際にフランスの修士や博士課程で研究しているみんなの給付型奨学金の話

Bonjour à tous ! ブログをはじめて色々な方と交流させていただいていると「フランスで勉強したい」という志を持つかたは少なくないなと思いました。そんな中で多くの人の気がかりになることの一つが「お金」の問題だと思います。筆者もこの「お金」の問題に突き当たってきました。しかし、お金がないから研究を諦めるなんてことはしたくありませんでした。

そんなときに手を差し伸べてくれたのが奨学金の運営団体です。日本で奨学金というと「借金」という印象もありますが、それは「貸与型」の奨学金の話です。留学生向けには、「給費型」の奨学金、つまり優秀な学生に支給される返済義務のない奨学金もあるのです。実際にパリに研究に来る人は優秀な人が多いので、何らかの奨学金を受給しながら「お金」の問題をクリアしています。今回は、私がパリで知り合った人や聞いた話を元に、フランス留学の際にみんながどのような給付型奨学金を受けながらやってくるのかという話をします。

筆者は人文学の研究をしているため、どうしてもその視点からの情報が多くなります。また、情報は更新日時点のものとなりますので、参考までとなります。最新のものはウェブサイト等でご確認ください。

フランス政府給費留学生としてフランスに留学

金銭面だけでなく、フランスでのサポートがたくさんある奨学金

私のはじめての留学も、この制度を利用して留学しました。フランス政府給費留学生になるに至るプロセスと勉強法について興味がある方はブログ記事を読んでみてください。

フランスの大学院に入る人は、まずはこれを取るといいと思います! と筆者が強調したくなるほど良い奨学金です。もらえるお金は学部生または修士一年(Master 1)として留学の場合は615ユーロ/月、修士二年(Master 2767ユーロ/月、博士課程(Doctorat1060ユーロ/月となります2018年度から増額したようです。私のときはもっと少なかったorz)。大学登録料免除、学生保険料免除と給費生として様々なメリットがあります。給費期間は10ヶ月ですが、その後に保険関連のみ延長申請ができます。ここに書いたのは文系の方の情報であり、理系の方は諸条件が異なります。

この奨学金を狙うことをおすすめする理由としては、給費生だからということでフランスの大学への入学書類提出等もスムーズになるような気がするからです。学部時代に留学しており、フランスの大学制度についてある程度知っているよという人も多いかと思いますが、筆者にとってははじめての留学(海外生活)だったので、この資格のおかげでいろいろな煩わしさから解放されていたように思います。

https://jp.ambafrance.org/article3995

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金でフランスに留学

長期間かけて学位取得を目指すに最適な奨学金

フランス政府給費留学生として留学の次に多い印象を受けるのが、この日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。日本学生支援機構(JASSO)というと貸与型の第一種、第二種奨学金が有名だと思いますが、海外に留学する場合は給付型の奨学金もあります。その種類は、

3つに分かれています。各奨学金の特徴はサイトを見てもらえればと思います。私の周囲に多いのは2つ目の「海外留学支援制度(大学院学位取得型)(給付型)」の利用者です。フランスの大学の修士課程、博士課程に来る人が多いので、学位取得を目標としているのです。支給額は89,000148,000/月です。パリの場合は、148,000/月となります。支給期間は修士で二年、博士課程で三年です。

ただし、申し込みをするためには高い語学力が必要です(英語なら、TOEFLの得点がPBT(Paper-Based-Test) 600点、iBT(internet-Based-Test) 100点、又はIELTS 7.0(Academic Module)以上である者。フランス語ならDALFC1以上)。なかなか狭き門なのですが、フランスで研究している人(知り合い含む)にはこの奨学金に合格している人も少なくないので、その優秀さが伺えますね……

トビタテ留学ジャパンを利用してフランスに留学

ビジネス系の学部生〜修士の方向け(?)

それから有名なものは文部科学省が開始した「トビタテ!留学ジャパン」のプログラムです。支給額は120,000160,000/月のため、フランス(パリ)で一人暮らしをする分には十分な印象です。「諸外国における留学期間が 28 日以上 2 年以内(3 か月以上推奨)の計画」と募集要項にあるため、当該期間は上記金額が支給されるのかなと思います。

……といいましたが、実は筆者はこの奨学金「トビタテ!留学ジャパン」については詳しくありません。それというのも筆者の直接の知り合いにこの奨学金をとってフランスに来ているという方がいないからです。印象ですが、学部生や修士に所属する私よりももっと若い人たちがこの奨学金を利用して留学しているような気がします。

ですので、詳しい情報はウェブサイトや大学事務所等で確認することをおすすめいたします。ただ、どこまで信憑性があるか不明ですが「将来的にビジネスと関連しやすそうなテーマ」の方が採用されやすいかも、という話を聞いたことがあります。この辺りは産学(官)連携の影響なのかなと推測されますが、そういう研究テーマに関心がある方は積極的に応募してみてはいかがでしょうか。(ちなみに過去に採用されたことのある人のテーマ例としては「演劇による町おこし」とかそんなのだったと記憶しています)

https://www.tobitate.mext.go.jp/

若手研究者海外挑戦プログラムを利用してフランスで研究

アカデミアの方向けのプログラム

大学にいない限りあまり耳にすることのないですが、日本学術振興会という独立行政法人があります。ここは、学術研究の助成、研究者養成のための資金の支給を行っており、学術に関する国際交流を促進したり、学術の応用に関する研究等を行うことにより学術の振興を図ることを目的としております。

大学院生には「学振」として知られる当会には「若手研究者海外挑戦プログラム」という制度があります。これはここ二年位でできた制度で「3か月~1年程度海外の研究者と共同して研究に従事できるよう、100140万円(派遣国により異なる)の滞在費等を支給し、将来国際的な活躍が期待できる豊かな経験を持ち合わせた優秀な博士後期課程学生等の育成に寄与するプログラム」とのことです。年間100140万円なので10万円/月程度になりますし、安定した経済状況で研究できるかなと思います

https://www.jsps.go.jp/j-abc/

留学のための奨学金を調べるためのサイト

留学のための奨学金を調べるとき、私は以下のサイトを使っていました。

海外留学支援サイト

「奨学金探しのポイントや注意点」「給付型か貸与型か」「各国政府の奨学金」等、留学に関する奨学金を体系的に探すことができます。まずはこちらのサイトからグローバルに奨学金について調べてみるのがいいかもしれません。

http://ryugaku.jasso.go.jp/scholarship/

海外留学奨学金検索サイト(日本学生支援機構)

「留学を希望する課程」「国・地域」「専攻分野(人文科学、自然科学等)」等をカテゴリを組み合わせつつ、自分にあった奨学金を調べることもできます。このサイトで検索するとわかることですが、埼玉県や三重県、戸田市、府中市、瑞穂町といった地方自治体が運営している奨学金も多々あります。自分に関係している地方自治体があればチャンスです! 自分のしたい研究テーマがはっきりしている場合はこちらのサイトも良いと思います。

奨学金の検索結果は以下のように出てきます。

奨学金結果

http://ryugaku-shogakukin.jasso.go.jp/scholarship_abroad/page?action=swfglsearchjasso

まとめ

いかがだったでしょうか。冒頭でも書きましたが「お金がないから……」という理由でフランスでの研究をあきらめるのは非常に悔しいことだと思います。私もその気持ちを味わいました。奨学金は申し込めば必ず採用されるというものではありませんが、申し込まなければ採用されることもないので、それを目標とし頑張っていきましょう!(自分を励ます意味も込めて)

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たーしー

現在、パリの大学で20世紀フランス文学(特に前衛詩、シュルレアリスム)を研究しているクマ。大学、文学、美術についての情報を中心にお届け。

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