フランス政府給費奨学金の研究計画書の書き方、面接対策について

こんにちは! パリパリマセマセのたーしーです。フランス政府給費奨学金(Bourses du gouvernement français)に関する質問を多く受けるので、計画書の書き方、面接について少しまとめてみました。参考にしてみてください。

※これからフランス政府給費奨学金を目指す方は、以下のブログ記事も参考にしてみてください

Bonjour à toutes et à tous ! 私はフランスの大学院でフランス文学の研究をしているのですが、実を言うと、はじめに...

フランス政府給費奨学金の研究計画書の書き方

計画書の前提

フランス政府給費奨学金の研究計画書の書き方ですが、以下にざっくりと私のやり方を示します。私はとある詩人を中心とした文学研究をしているので、畑が異なるの方はご参考までに……。また私が給費生だったのは何年か前なのですが、当時と比べてもらえるお金が増えたことを除けば(今は博士課程登録者は1,000ユーロ以上ももらえるとのこと!)現行制度と大きな変更はないかなと思います。そうはいっても、計画書のフォーマット・字数等に関してはいちおう公式サイト(在日フランス大使館:https://jp.ambafrance.org/)を確認してみてください。

計画書の構成

計画書はフランス語、日本語ともにA4で二枚。計画書の流れを大まかに分類すると、以下のように4つの段落に分かれていました。

(1)研究背景(先行研究とその問題点)

研究対象のXXXは、これまで~~のように捉えられてきた。たとえば『参考文献A』を参照すると~~と書かれている。しかし、そのような解釈ではXXXの◆◆◆の部分は明らかにできず謎のままにとどまる。

(2)解決方策

この謎を解決するために、XXXの活動および詩作品における○○○という特徴に着眼する。

(3)研究方法、経過、結果

○○○に着眼しつつ詩作品の内容の分析、◆◆◆に関わる概念のあらわれの由来の探究を行うことで謎が明らかになると考える。その際、『参考文献B』『参考文献C』を参照しつつ、意味論や記号論の観点から詩人の作品を理解することが重要になる。また、XXXを分析することで、別の研究の場に、これまで看過されがちだった視角を導入することができると期待される。

(4)フランスで研究する理由

この計画を実現するには、パリにある図書館での草稿や書簡の確認が必須であるため、~~大学のYYY教授のもとでの研究を切望する。将来はフランス文学の研究者になりたいと考えており~~をしていきたい。

計画書のポイント

重要なのは、「これまで何をしてきて」「これから何をするのか」を明確にすることかと思います。あとはフランスの計画書同様、テーズ、アンチテーズ、サンテーズを意識することかと思います。もっとも私の場合、計画書を書いた時は日本の大学の修士二年だったためこれからの研究の方向性もよく定まっておらず改めて読み返すとかなり曖昧なところもありましたが……笑

フランス政府給費奨学金の面接について

フランス政府給費奨学金の第二試験は面接です。大枠としては(1)10分間で自分の研究の説明(2)質疑応答、という流れでした。

(1)自分の研究の説明

まず、10分間で自分の研究の説明をします。この10分間という制限は厳しいようで、超過するのはタブーのようです。私の場合、そのため10分間を身体に染み込ませるのに苦労しました。ちなみに説明の構成は以下の通りです。

a. 所属、自己紹介

所属している大学、身分等の自己紹介をしました。

b. 研究対象をざっと紹介

対象の特徴、自分はのどの点に関心があるのかを説明しました。

c. 現在やっている研究

b に関連して、どのような問題提起が可能で、先行研究では何が明らかにされたのか。また現在の自分の研究では何を明らかにしようとしているのかを説明しました。要は学士・修士課程で(既に博士課程に登録している方は現段階までに)何をやったのか、という説明です。

d. 博士論文のテーマ

以上を踏まえて博士論文では何を扱うのか、それによって何がもたらされるのかを説明します。

e. フランスの博士課程に登録する必然性

アーカイヴがフランスにあるとか、研究がヨーロッパのほうが盛んだとか、指導教授がその分野の第一人者だとかフランスに行き勉強する必然性について説明します。

このように振り返ると、事前に事務局に送った研究計画書を簡略化する印象でしょうか。改めて確認すると1000単語で10分くらいでした。この辺りはフランス語力(流暢さ)によって変動すると思います。私は留学前だったので現地(東京、恵比寿にある日仏会館)で面接だったのですが、既にフランス在住の方はスカイプでの面接もあるようですね。

(2)質疑応答

さて、それで研究の説明が終わったあとは質疑応答でした。

試験管は5人いて、うち3人が日本人(全員大学の教員だったかと)2人がフランス人でした(うち一人は大使館かキャンパスフランス、あるいは日仏会館かどこかの人? とにかく大学人ではなかったです)。

質問は研究計画に関連して何でも、という感じでした。たとえば、自分がやっていることと必ずしも一致しないことを聞かれ焦りました……。それと「あなたは経済学部卒業ですし、就職してサラリーマンをやっていたわけですが、どうしてフランスでフランス文学をやりたいのですか?」という質問も予想してませんでした。

ただ、これは試験前に友人に言われたのですが「どんなに厳しいことを言われてもめげちゃだめ! 必ず返答し強気で行くこと!」が大事らしいです。考えるにフランスという外国でも戦っていけるのか、という精神面が試されるのではないかと思われます。

おわりに

フランス政府給費奨学金(Bourses du gouvernement français)はフランスで生活の様々な面を支えてくれる奨学金です。この記事が少しでもみなさまの参考になり、合格に貢献しうることを祈っております。

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たーしー

現在、パリの大学で20世紀フランス文学(特に前衛詩)を研究しているクマ。フランスの時事、大学(奨学金)、文学、美術についての情報を中心にお届け。