フランスの大学の遠隔授業について~史学部編~

Bonjour à toutes et à tous! こんにちは!ようやく大学の期末テストが終わり、コロナ対策の外出制限も緩和されてほっとしているほーしーです(^^) 今回はフランスでの外出制限(Confinement)中にどんな風に大学の授業が遠隔で継続していたか簡単に説明したいと思います。

授業の継続方法

先生と学生のコミュニケーション手段

大学と学生のコミュニケーションの要 “Moodle”

遠隔授業のあいだはいつにも増してよく“Moodle”を使いました。“Moodle”とはインターネット上で学習管理ができるソフトウェアのことで、大学が管理しているプラットフォームにログインすると、自分が登録している授業の授業内容や課題などを管理することができます。

先生がMoodle上にアップしたファイルをダウンロード、また学生側から提出もできます。Moodleを通して担任の先生に連絡をすることができ、メールはもちろん、先生が企画さえすればビデオ講義やチャットなど、リアルタイムの授業もありえます。

“実際のMoodle上の画面”

先生と直接メールでやりとり

Moodle外でも直接先生と連絡先を交換してあったので、途中大学の学生専用メールアドレスが不調になった時も、自分個人のGメールアドレスから連絡を保つことができました。また他の大学から教えに来ている先生の授業ではMoodleが使えなかったので、講義内容や課題の受け渡しはすべてメールでした。

チャットアプリを使ってやりとり

またもっとフランクな授業では“Whats app”(日本でいうところのLineのようなアプリ)でチャットもありました。

リアルタイムで複数人と会話ができるので、クラスメイトに会っている感があったのは自宅待機中としては地味に嬉しかったです。他人の質問が自分の為になることもよかった、後で会話を追えるのもいいですね。

毎週決められた曜日の同じ時間に、先生を中心にチャットにログインして授業の質問や情報交換をするという試みもありました。(任意)

授業内容

ビデオ講座はごく一部の授業のみで、残りの授業は授業内容の資料が送られてきて、自分の都合が良い時間に自主学習をする形式でした。一応大学も生徒を留年させたくはないので、できるかぎりの内容で成績がつけられることになります。

進行はなく課題のみになった授業

いくつかの授業は課題形式になりました。新しい授業はなく、学期前半で教った事をもとに出された課題を期限までに提出する形式です。

テキストで継続した授業

それでもなんとか授業計画を達成しようとした先生は、毎回3時間の講義内容のプリント版(これが結構な量)を送ってきたり、要約を送ってくれる授業もあったのですが、対面の講義の時より少ない情報量を補うためにこれまた沢山の補足資料が送られてきて、読むという作業が圧倒的に増えました(^^; 読む力が弱い私にはなかなかこれが辛かった…

またPowerPointで毎回授業を送ってくれた授業もありました。

Zoomで継続した授業

アルバイトや家族の面倒をみなければならない学生にとって時間を決めてビデオ通話で集合するのは必ずしも簡単ではありません。それでもビデオ会議用アプリ“Zoom”を使った授業がありました。それは英語の授業です。

会話も重要な評価対象になる外国語の授業ではビデオ通話は必須でした。私の家では比較的問題はなかったけれど、ビデオ通話をするのにスマホしかないのにそのカメラが壊れている、家にWifiがないので十分なデータ通信ができない、ビデオ通話中に子供が乱入してくるなど、一部の学生にとっては大変だったようです。

“Zoom”Web会議用アプリ

今回はじめてZoomというアプリを使ったのですが、Moodleのビデオチャットよりも映像と音声がクリアで、スカイプと同じくらい使いやすかったという感想です。

またZoomの方が、主催者(先生)主導で小グループを作ってディスカッションをさせたり、発言者を指定してそれ以外の人のマイクを切るなどの操作ができるし、逆に生徒は挙手ボタンや、チャット内で宛先指定のメッセージなども送れるので、さすが会議用アプリ、Skypeより授業に向いているなと思いました。

ビデオ通話で口頭発表

フランスの大学の授業では口頭発表の課題がよくあるのですが、遠隔授業でもこれは免除されませんでした(^^; Moodle経由のビデオ講義で、8人ほどの少人数グループ内で発表しました。その時なぜか映像トラブルが起こって発表者の顔が映らなくなり、仕方なく音声のみで発表することになったのですが、それはそんなに大きな問題ではなく、むしろ音声の方がそこまで良くないので、外国人の私の発音がよく聞きとられるかの方が気になりました。

遠隔授業の良いところ

通学しなくていい

これは一番うれしいところでした!自宅から大学は往復2時間と離れていて、しかもあまり綺麗ではないと噂のパリのメトロの中でも古くて空気の悪い⑬番線にのらなければならないので、それがないだけでもハッピーでした。笑

自分のペースで勉強できる

対面の授業だと、時々授業のスピードについて行けない時があるんです。知らない単語や出来事を調べているうちによく授業を見失ったり、大事なことを聞き逃してしまったりします。でも遠隔授業のときは自分が理解するまで調べて次に行けたので、ある意味ではより良く授業を理解できたように感じています。

読む力が上がった

講義が全て書物に代わったので否が応でも読書量が増え、読解力がすこしながら上がったと思います。

遠隔授業の悪いところ

自宅では集中できない

まず自宅だといろいろな物がありすぎて(物が多すぎて片付けられない)勉強に集中できません。私の場合、コーヒー紅茶、お菓子などが常備してあるせいですぐにお茶休憩を取ろうとしてしまいます。まぁこれは個人の努力不足もあるかもしれませんが、本来リラックスする場所でもある家というのは時に勉強に不向きですね!大学や図書館が開いていれば一発で切り替えられるのに…

質問がしずらい

もちろん本当に困ったときはメールを打ちますが、先生やクラスメイト、目の前にいれば気軽にできた質問も、距離があると途端にハードルが上がってしまいます。また会話が減ると思考も鈍ってしまいますよね…(-.-)

パソコン作業が増え目に悪い

書類を読むのも書くのもパソコン!ひどいときは朝起きてから寝るまでずっとパソコンを見ていました。1,2ページならともかく、何十ページもパソコンで読むのは目が疲れます。家からも出ず、意識しなければ遠くをみずに過ごす日々、自宅待機で視力が下がった気がします。

学校や学科によっても違う授業

当然のことながら、大学や学科の違いによって遠隔授業の内容もさまざまです。

そもそもコロナウイルスにおける緊急事態宣言で、授業を完全に中止してしまった学科の話も聞くし、実験が必要な理系の学科などはどうしようもなくて、自宅でデータ処理ばかりしているというのも聞きました。

また、私立の経済の学校へ行っている隣人なんかは毎日朝から晩まで実際に通学している時と同じスケジュールでビデオ講義があったようです。かなりやつれてすさんだ様子…(*_*;

まとめ

今回の遠隔授業をまとめると、授業が継続されたとは言っても、その内容は実際に大学で受けるものと比べると量も質も同じではありません。当然のことながら、今回の急なコロナウイルス騒動では先生達もネットを使った授業の準備はできていなかったから仕方のないことです。

ましてやみんな自宅にいて、他に介護が必要な家族や小さい子供と一緒のひとは四六時中ビデオ講座をすることも出来ません。

中には一人暮らしで家に十分なネット環境が無いひと、コロナの影響でバイトが無くなり収入が激減、日々の食事や家賃の心配から勉強どころではない学生もいました。

GrèveにManifestation、Covid-19、2019-20年度はボロボロなフランスですが、経済的理由で留年できない学生は大勢います。彼らにとってこれが無かった年にならないことを祈るばかりです。

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現在、ワーキングホリデービザでフランスは美食の都「リヨン」から「パリ」に引っ越して来たパンダのパティシエール。たーしーの妻。食や日常生活に関する話題を中心にお届け。もっぱらの趣味はbrocante=古物屋や蚤の市などでの宝探し。2018年8月、学生ビザを取得し再渡仏しソルボンヌ文明講座に通う。2019年〜大学生になりました。