【お菓子史】「パティスリー」(pâtisserie)というフランス語の言葉の語源

【お菓子史】「パティスリー」(pâtisserie)というフランス語の言葉の語源

今回は言葉 ‥‥

「pâtisserie」  パティスリー  

この言葉の語源についてです。

日本でも随分と定着しましたが、フランス語でお菓子屋さん(特に菓子職人、パティシエのいる)または、お菓子そのものを指す言葉です。

 この言葉の出現は1328年頃とされ、元々はpâte(小麦粉に牛乳や卵、または水などを合わせて練った生地)で作られる食品を指しました。

しかし砂糖の回でも書いたとおり、当時はまだお菓子作りに砂糖を使用することは一般的ではありません。pâte職人、パティシエたちは、甘さを控えたパイ生地で果物だけでなく、肉や魚を包んで焼いていたのです。

 その仕事は菓子職人というよりはもはや、料理人(キュイジニエ)に近いものでした。

そしてその後、砂糖商人や肉屋や酒屋、様々な食品の販売権争いののちに、ようやくパティスリーが“お菓子屋さん”としての成り立ったのは、15世紀末、1497年ごろでした。

今から500年と少し前、現在とは違うお店のかたちや、pâtisserieに定められていた規則などについては、また別の機会に少し書ければと思います・・・

こちらは、現存するパリ最古のパティスリー “ストレール”

ルイ15世のお抱え菓子職人のニコラ・ストレールが1730年にオープンしたお店で、ババ・オ・ラムはこのお店が発祥とのこと。

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