【お菓子史】「小麦粉」の起源とフランス菓子の誕生

【お菓子史】「小麦粉」の起源とフランス菓子の誕生

ボンジュール、パリパリマセマセのほーしーです。

今日は、これまたお菓子作りに欠かせない材料の一つ、

「小麦粉」

について学んでいきたいと思います!

フランス菓子に必須の「小麦粉」の誕生

小麦粉といっても幅広く大変な種類があります。ひとつの記事にとても書ききる事はできませんし、まだまだ勉強したりないところですが、やはり始めはまずその誕生から、少しずつかじっていきたいと思います。

周知のとおり、小麦粉は小麦を挽いて作られた穀粉ですが、その先祖をたどってみると、紀元前1万年以上前の旧石器時代からすでに中東やエジプトに野生に繁茂していたものに行き当たります。

そして紀元前8000年頃、農耕が始まり、前3000年頃のエジプト文明では小麦を臼で挽いて製粉しパンを焼いていました。

酵母については別の回に詳しく書こうと思いますが、パンの誕生は前4000年頃より前の話なので、巨大文明で臼が発明されるより以前は、岩などのくぼみで直に、地道に麦をすりつぶしていたと言います。

また当初製粉されていたのは、より栽培が環境に合っていた大麦が中心でしたが、次第に小麦の加工のしやすさに気がついた人々は、小麦をメインに作るようになるのです。

こうして、世界にお菓子の材料が出揃い始めるのですが、実際に小麦を使用したお菓子がどの様なものから始まったか、次に説明します。

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こちらはパリで人気のブーランジェリー “デュ・パン・エ・デジデ”

小麦粉を使用したお菓子の誕生

ここからは小麦粉を使用したお菓子の誕生について書いていきます。個人的に、私は小麦粉を使用したお菓子の誕生は

“お菓子の誕生”

とも言える出来事だと思っています。

しかし、これを説明するのはとても難しいことです。

なぜならこの事について考えようとすると以下の二つの問題に行き当たるからです。

(1)お菓子作りの最初の記述が古すぎるという問題

まず、お菓子づくりに関する最初の記述が古すぎて伝説の範囲であるという事と、そもそもお菓子とは何か、という事です。これらの問題の答えは曖昧です

お菓子づくりに関して書かれた最初の記述は紀元前1000年頃、旧約聖書にあり、アブラハムが聖人をもてなす為に妻に「小麦粉をこねてパン菓子を作りなさい」と言っているものです。聖書の中の設定では、これは前2000年代のこととされていて、小麦粉以外の材料や作り方は分かりませんが何か日常のパンとは違う、贅沢なもの、“お菓子”だった事が分かります。

(2)「お菓子」の定義が難しいという問題

次に、「お菓子」という言葉を定義することの難しさに関わる問題があります。

そもそも「お菓子」とは何なのでしょうか。もちろん当時は、現在の様にキャラメルやチョコレート、クリームなども到底生まれていません。「お菓子」を定義するのは意外と難しいのです。

人が生きるために何かを食べ、生食が困難なものをなんとか加工し、パンを焼いたその後に、味が良くなるように、貴重な何か、例えば油分や糖分を少し加えて誕生したとっておきの食べ物、それが“お菓子”なのだと私は考えています。お菓子も元々は日常の食事だった、だからその境界線は今なお曖昧なのです。

誕生したばかりの贅沢品は、主に神への供物品にされる他、婚礼の儀式などで食べられました。しかしそれはやはり、現代菓子とは比べ物にならない程に質素なものだった事でしょう。

今でもお菓子が特別な食べ物であることは変わりませんが、私はお菓子は食事の中のひとつであるとよく考えます。なんでも美味しいものが手に入りやすくなった現代ですが、一方世界的な材料不足も言われています。

お菓子の歴史を勉強することは、同時に、お菓子の今を考えると言うことではないのでしょうか……。

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こちらはルーブル美術館の“古代のパン職人”