【お菓子史】ガレット・デ・ロワの意味、フランス菓子の歴史(1)

【お菓子史】ガレット・デ・ロワの意味、フランス菓子の歴史(1)

ガレット・デ・ロワ

自称お菓子好きを名乗る者ならば、知らない者はいないだろう!

それくらい、今や日本でも浸透しているお菓子ですね。

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こちらは自由ヶ丘、パリセヴェイユのガレット・デ・ロワ。

以前、パティシエが選ぶパティスリーで一位に輝いた事もある有名店です。

しっかりとした焼き色と美しいsoleil(太陽)の模様が堂々とした風格です。

念の為このお菓子の説明をしておくと、サクサクのパイ生地の中にはアーモンドクリームが入っており、陶器で出来た小さな人形が一つ埋め込まれているといったものです。

家族でガレットデロワを囲み、切り分けたパイの中にフェーブを引き当てた人は、紙で出来た王冠をかぶり、その日一日、王様になります。

パイの中身や、ガレットデロワの食べ方の細かいルールは、地方や家庭などによって違いがあり、近年では丸ではなく四角いガレットや、ショコラや抹茶、フルーツの入った物など、どんどんと進化をしていて様々です。

ではこのガレットデロワ、なぜ新年に食べられているかと言うと、それはキリスト教の伝統で、1月6日(もしくは、その次の日曜日)、エピファニー Epiphany(公現節)を祝う為です。

エピファニーとは、キリストの栄光が公に世に現れたとされる日で、詳しく説明すると、東方の偉大な知識人が三人が、「今度お生まれになった、ユダヤ人の王はどこにおられるか。われわれはそのお方の星が出るのをみたので、おがみにまいった。」とわざわざ訪ねてきたり、ただの水をワインに変える奇跡を起こしたり(カナにおける最初の奇跡)と、その只者ではない能力が公になったと日と言うことです。

そして、ガレットデロワがどう関係しているかと言うと、古くからあったローマ人の太陽信仰が受け継がれ、太陽をかたどった、円盤形や王冠の形をしたお菓子が、そのお祝いに食べられるようになったのが始まりです。

今でこそ、折り込みパイ生地(フィユタージュ)で作られるガレットデロワですが、ある文献では、中世にはブリオッシュの発酵生地が使われ、今でもフランスの南半分の地方ではこの伝統が守られているとありました。

しかし、実際にフランスで修業したパティシエに聞くと、北フランスでもそれを見かけたという話や、ブリオッシュタイプとフィユタージュタイプ、両方がお店に並んでいたなどという証言もあります。これはいつか、実際にフランスのパティスリーに足を運んで確認してみなければなりません!

地方によって様々な名前や種類があるブリオッシュ生地のガトーデロワ。しかし元々の役割はガレットデロワと同じであると思われます。

ガトーデロワは私の中で確かに少し古いイメージのあるお菓子で、なかなか日本では見かけませんし、まだ食べたことがありません。どこか買えるお店をご存知の方がいれば、情報をお待ちしております!

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ブーランジェリー〝ビゴの店〟のガレットデロワ

↓↓↓リヨンに滞在しているときに本場のガレット・デ・ロワを記事にしました↓↓↓

https://parismasse.net/?p=491