【語学】社会人になってもフランス語を続けること〜アテネフランセで挫折した私の場合

【語学】社会人になってもフランス語を続けること〜アテネフランセで挫折した私の場合

ボンジュール、パリマセのたーしーです。TwitterでフォローしているKaho Satoさん(@kahonne_france)が、フランス語のオンラインレッスンを開始してから2年が経ったとつぶやいていました。頑張っていて、本当にすごいと思います。

会社で働きながら語学を続けるのは決してかんたんではありません。そう自信を持って言えるのは、自分が会社員だったとき、フランス語をほとんど勉強できなかったからです(そんなところに自信を持つな)。今日はそんな昔の自分の挫折について思い出してみました。

社会人になりフランス語学校に通い始める

会社に入ってから半年ほど経った頃、フランス語をしっかり学びたいと思い始めていた私はフランス語学校への登録について考えていました。当時は大学院に行きたいとか、フランスに留学したいとか、そういった具体的な目標があったわけではなく、フランス語にもっとぼんやりとした憧れがあったからです。サラリーマンとして働き、学生の頃と比べてまとまったお金を毎月手に入れられていたというのも多かれ少なかれ関係していたのかもしれません。

もともと経済学部で、しかもお世辞にも真面目な学生ではなかった私には、自分に欠けているのはちゃんと外国語を身につけるための方法なのだと思い混んでいました。そんな方法が本当に存在するのかどうか定かではありませんが。

一にも二にも、まずは教科書を10周以上は繰り返してから言えって今なら思いますね(苦笑)
たーしー
たーしー

とにかく、そういうわけで、フランス語学校に登録してみようと思い至ったわけです。スマートフォンはあったもののタンデムのような仕組みは今よりずっと浸透していませんでしたが、幸運にも東京のフランス語学校に通うことができそうでした。

アンスティチュフランセ、日仏学院等、いろいろなフランス語学校がありますが、私にしてみれば、登録するならアテネフランセ一択でした。というのも、あの頃神様のように崇めていた、中原中也や佐藤春夫、澁澤龍彦らが通っていたフランス語学校だったからです。

アテネフランスでの挫折

Conjugaison や時制の基礎はひと通り独学していたので、仏検二級レベルくらいになりたいなと思い、秋学期「総合講座 中級」の土曜日のコースに登録したように記憶しています。

それで初めての授業で色々と思い知らされました。まず感じたのは、他の受講生とのフランス語レベルの差。特に普段使いするヴォキャブラリーに差があるのを痛感しました。

Ça va ? — Je vais bien et toi ? くらいの挨拶なら交わせるはずだし、文字を読めばきっと意味がわかるのでしょうが、とにかくフランス語が口から出てこないし、聞き取れない。先生や他の生徒が言っていることを理解するのに苦労する。アテネフランセの授業では隣り合った生徒とディアローグするというものが結構あったのですが、そうなるともうまともに話すことができないわけです。

自意識だけはたっぷりと持っていた若い頃の自分にとっては、そういうシチュエーションはあまりにも耐え難いないものでした……恥ずかしい。
たーしー
たーしー

仕事を言い訳にしがちな社会人

それでもせっかく登録したのだからと二回、三回と通い続けていたのですが、そんな矢先、仕事が忙しくなり終電で帰ることが増えてきました。すると、仕事の忙しさに応じて土曜日に朝寝坊することも増えてしまい、その結果、クラスに馴染めずモチベーションの下がっていたアテネフランセの授業から段々と足が遠のいてしまいました。

最悪なのは、授業に行けなくなったとしても、「仕事が忙しいから」と言い訳できてしまえたことでした。

たんなる意志薄弱なだけなのに……。
たーしー
たーしー

そういうわけで、せっかく登録した秋学期のアテネフランスの授業も前半だけ通い、気がついたら残りの授業はまったく行かずという散々な結果で終わりました。本当に、ただただお金と機会の損失がもったいなかったです。

アテネフランスでの二度目の挫折

さらに悪いことに、そこでやめておけば良いものの、次は絶対に通い続けるぞと、春学期のコースへの登録を私は決めてしまったのでした。中級コースの授業内容は自分には合っていないと思った私。合っていないも当然、文法も語彙も勉強不足なんだから!……と当時は考えず、問題は授業のテーマ選択にあったと考えました。

穴があったら入りたい……。
たーしー
たーしー

というわけで、フランス文学に強く憧れていた私は、もっと文学よりのコースに登録しました。そしてあろうことか選択したのが、フローベール『感情教育』を原書で読むという授業一コマ……。何にも見えていなかったんでしょうね。当然、ついていけるわけもなく。ますます仕事に追われていた私は、良い言い訳を見つけ、途中で授業から逃げ出したのでした。

結論:社会人になってもフランス語を続ける人は、みんなすごい

こんな風に、とにかく仕事を言い訳にフランス語を続けられなかった私。それに対して、社会人でフランス語を続けている人は意志が強く、大変な努力家だと思います。それは誰にでもできることではないのです。

それにしても、ブログのために書いていて振り返ると、本当にもったいなかったなと思うほかありません。アテネフランセは講師陣はもちろん、施設だって立派だし、上手く活用できれば必ずフランス語が上達しただろうに……今となっては後の祭りですが。本当にもったいない!!(三回目)

唯一、アテネフランセで学んだことがあるとするなら、語学は一歩一歩上達するしかないということ、そのためには自分のレベルをきちんと把握しレベルに合った勉強をすること、の二点でしょうか。

当たり前ですが、誰もが語学初心者の時期を通過するわけです。恥をかくのを嫌がったり、見栄を張って基礎をおざなりにしてしまうと、言葉は身につかずますます語学が億劫になることでしょう。

「言語はコミュニケーションのための道具である」という賛否両論の言説がありますが、ひょっとすると、言語を通じてまずコミュニケーションを取らねばならないのは自分自身なのかもしれません。言語を介して、理想とするものとは未だ程遠い弱い自分自身を知り受け入れること、それがある理想に近づくための第一歩なのだろうと今なら思えます。