【フランス】パス・サニテールは上手く機能するだろうか、という素朴な疑問

【フランス】パス・サニテールは上手く機能するだろうか、という素朴な疑問

ボンジュール、パリマセのたーしーです。昨日7月21日からパス・サニテールの適応範囲が広まり出しました。パス・サニテールは本当に上手く機能するのでしょうか。上手くいったら嬉しいのですが、ちょっと素朴な疑問を覚えてもいるので、それについて日記代わりにまとめてみます。

パス・サニテールと図書館

6月初旬から、いろいろな場所で、パス・サニテールが話題になる機会が増えたように思う。大学関係者の間では図書館や資料館に入る際にパス・サニテール提示を求められるようになるのも時間の問題だろうという話があった。

そして先日7月17日、フランス国立図書館(フランソワ・ミッテラン館とリシュリュー館)で、21日から入館時のパス・サニテールの提示と本人確認が義務づけられるとアナウンスがあった。ただし、20日にはこの対策に変更が加えられ、入館時のパス・サニテールの提示と本人確認が義務づけられるのは、エクスポジションや文化イベントへの参加者に対してのみということになった。したがって、資料閲覧者に対しては、パス・サニテール政策は今のところ無関係というわけである。

パス・サニテールと娯楽施設(映画館や劇場)

映画館や劇場では、パス・サニテール回避のために入場者数を49人に制限するという記事を読んだ。さしあたってパス・サニテールの提示義務のある場所は50人以上集まる娯楽施設。ということは49人が入場者数マックスだった場合その提示義務はないわけで、ワクチン未接種の人や、陰性証明書を持っていない人も入場できるということになる。

都市部の大きな場所では無理だとしても、比較的小さな映画館や劇場はフランスのどこにでもある。同記事には、「夏は、注目映画の封切りを除いて、50人を超えることはめったにない」「突然のことなので、[パス・サニテールの]政策を適応できない」という声も取り上げられていた。

以上のように、小さな映画館や劇場といったフランスの娯楽施設が「49人制限」を実施することが可能なら、パス・サニテールによる対策が功を奏すかどうか疑問である。そもそも、「49」と「50」の間に絶対的な根拠はないはずなのだから。

パス・サニテールとレストラン、カフェ

また、昨日のジャン・カステックス首相の会見では、

パス・サニテール(ワクチン接種ないし新型コロナ陰性の証明)のチェックについて、レストランをはじめ各施設は顧客に提示を要求する義務があるが、本人確認に関してはその限りではない。

ということが報じられた。この場合、極端に言ってしまえば、新型コロナ感染者や濃厚接触者が名を偽ってレストランやカフェに入ることができるというわけだ。情報が偽りである可能性がある以上、パス・サニテールが正しく機能するかどうか疑わしく思えてしまうのはしかたないのではなかろうか。

パス・サニテールとマスク着用

さらには、パス・サニテールの提示が求められる施設(先に述べたように50人以上集まる映画館や美術館、8月1日からはレストランやカフェ、ショッピングセンター等にも適応)では、来場者のマスク着用は義務でなくなるとのこと。ただし、そこで働く方々はどうもマスクを着けなければならないようだ。

その場所でマスク着用義務がある人々がいるのであれば、それを部分的に撤廃するのは好ましくないのではなかろうか……。

パス・サニテールと第四波

ところで、第四波もすぐそこまできているのではなかったか。実際「夏の終りには次の波が到来しているだろう」という声も少なくない……。感染力が高く、すでに獲得した免疫を逃れる可能性さえあるデルタ株の感染者はフランスでも急増している

ここ数日、24時間あたりの感染者数が10,000人を超える日が続いている(6月末には1,800人/日程度まで落ち着いていた)。先のマクロン大統領の演説を思い返せば、フランス政府としては経済状況をどうにかしたいのだろうが、このような状況でマスク着用の制限を取っ払っても良いものなのだろうか。

先述したジャン・カステックス首相の会見では、

ワクチン接種者は、感染者との接触の後にテストで陰性だったら、隔離の義務がなくなる。

ということも述べられていた。それ自体は嬉しいことなのは間違いないのだが、「本当に大丈夫なのか」という気持ちは拭えない。

porte de versailles ワクチンセンター
パリのワクチン接種会場前にて。