【フランス】パス・サニテールとはなにか〜コロナ禍の健康パスポートについて考える〜

【フランス】パス・サニテールとはなにか〜コロナ禍の健康パスポートについて考える〜

ボンジュール、パリパリマセマセのたーしーです。先日、長らくしまっていたカフェやレストラン、文化施設等の再開計画についてフランス政府は発表しました。これに伴い、パス・サニテール(健康パスポート)というものの導入が構想されているようですが、具体的に何なのか。少し調べてみて、まとめてみました。

追記(2021年7月12日)

2021年7月12日のマクロン大統領のスピーチで、より一層パスサニテールの適応範囲を拡大するとのことがありました。具体的には7月21日以降、50人以上集まる « lieux de loisir et de culture » で、8月1日よりレストラン、バー、ショッピングセンター、電車・飛行機内、病院内、お年寄りの住む施設(EHPAD)でパスサニテールが必須となりました。

 

パス・サニテール(健康パスポート)の概要

マクロン大統領の発言

パス・サニテール(健康パスポート)について、マクロン大統領は次のように言っています。

パス・サニテールはフランス人を選別するものでは絶対にありません。レストランのような毎日の生活を行う場所にアクセスするために、あるいは友人の家にいくために、必携のものとはなりません。〔……〕ただし、スタジアムやフェスティヴァル、お祭りや〔美術館等の〕企画展示会に行くためにそれを使わないのはおかしいです

そもそもパス・サニテール構想は、EUの政策執行機関である欧州委員会によって3月頭に提案され、その後、EUに加盟する27カ国によって認可されました。フランスは、良い反応をみせなかったようですが。このパス・サニテールは、EU圏内の移動や旅行を実現するということが目的のようです。

パス・サニテールには電子版ないし紙版がある予定で、ごくごく大まかに、以下の情報が記されるようです。

  • 個人情報
  • 健康に関するデータ(直近のPCRテストの結果、新型コロナウイルスワクチンの接種情報等)

まだ詳細は決まっていないようですが、記載されるだろうと予想されている情報についてはこのページの下の方にまとめています。

先のマクロン大統領の発言にあったように、現在閉められている文化施設や見本市、企画展等に行く際に、パス・サニテールを提示する必要が出てくることになりそうです。

パス・サニテール(健康パスポート)の詳細

パス・サニテール(健康パスポート)に記載されそうな情報

パス・サニテール(健康パスポート)と言うと、ワクチンパスポートと似ているような印象があります。

しかし、パス・サニテールは、ワクチンパスポートとまったく同じというものではなさそうです。なぜならパス・サニテールは、単にワクチンにかかわる情報にだけ結びついているというわけではないからです。つまり、指定のワクチンを摂取したかどうかだけを記載するワクチンパスポートとは異なり、パス・サニテールは新型コロナウイルスのワクチンをまだ摂取できていない(あるいは、摂取したくない)人を不利な状況に追い込まない、という狙いがありそうです。政府はがんばってくれていますが、ワクチン普及のスピードには限界がありますしね。

まだパス・サニテールの詳しい形式については決まっていないようですが、スマートフォンからアクセスできる個人ページ、あるいは紙によるものによって、以下の情報をまとめあげる可能性があるみたいです。

  • QRコード
  • 直近のPCR検査による陰性証明
  • 新型コロナウイルスの徴候について
  • もしもの場合には、ワクチン接種の証明書

紙版には次のことも言及されているべきであるとか。

  • 名前
  • 生年月日
  • パス・サニテール番号とQRコード
  • ワクチン接種済みか否か
  • 摂取したワクチンの種類
  • 罹患済みか否か

等々。現在は、パス・サニテールは4月19日にリリースされた「TousAntiCovid-Carnet」のアプリの中で電子版が実装される見込みとのことです。

パス・サニテール(健康パスポート)の提示が必要そうな施設

先日発表された計画によると、カフェやストランのテラス席がこの5月19日から、さらにバー、カフェ、レストラン自体が6月9日から再開予定とのこと。これに伴い、現在休業中の様々な施設の再開案が発表されています。パス・サニテールを提示する必要があるのはどの施設でしょうか。まだ決定派ではないですが、以下に予想されているものをまとめてみました。

6月9日以降

  • 運動施設(おそらくジムやプール、スタジアム等)
  • 企画展示会、5,000人までの見本市
  • 海外旅行者のフランス入国

6月30日以降

  • 1,000人以上のコンサートやフェスティヴァル等のイベント

ただし美術館(常設展のこと?)、映画館、劇場、そして文化的モニュメントへの入場に際しては、パス・サニテール提示は必須でないとのこと。この辺りは、詳しい情報が分かり次第追記しようと思います。

追記(2021年7月12日)

2021年7月12日のマクロン大統領のスピーチで、より一層パスサニテールの適応範囲を拡大するとのことがありました。具体的には7月21日以降、50人以上集まる « lieux de loisir et de culture » で、8月1日よりレストラン、バー、ショッピングセンター、電車・飛行機内、病院内、お年寄りの住む施設(EHPAD)でパスサニテールが必須となりました。

パス・サニテール(健康パスポート)と海外旅行について

今のところ、このパス・サニテールによってEU圏内の旅行が可能になる見込みとのこと。EUで実現・成功したら、世界中で同じパスポートが導入されるかもしれませんね。

追記(2021年7月12日)

2021年7月12日のマクロン大統領のスピーチで、より一層パスサニテールの適応範囲を拡大するとのことがありました。具体的には7月21日以降、50人以上集まる « lieux de loisir et de culture » で、8月1日よりレストラン、バー、ショッピングセンター、電車・飛行機内、病院内、お年寄りの住む施設(EHPAD)でパスサニテールが必須となりました。

パス・サニテール(健康パスポート)とカフェやレストランの再開について

半年以上の休業を経て、カフェやストランのテラス席がこの5月19日から再開する見込みです(最大6人の同席で)。さらに、バー、カフェ、レストラン自体は6月9日から再開予定とのこと。ただフランスの新型コロナウイルス感染者数は大きく減っているわけではないので、この計画もどうなるかわかりませんが……。

冒頭で述べたように、マクロン大統領の発言によるとレストランやバーに行く際にはパス・サニテールの提示は必須ではないようです

追記(2021年7月12日)

2021年7月12日のマクロン大統領のスピーチで、より一層パスサニテールの適応範囲を拡大するとのことがありました。具体的には7月21日以降、50人以上集まる « lieux de loisir et de culture » で、8月1日よりレストラン、バー、ショッピングセンター、電車・飛行機内、病院内、お年寄りの住む施設(EHPAD)でパスサニテールが必須となりました。

パス・サニテール(健康パスポート)はいつからはじまるのか

今のところ公式に開始日が告げられているわけではありません想像するに、6月9日以降に運動施設や文化施設を再開予定とのことなので、この日にはパス・サニテールが流通しているはずでしょう。新たな情報がわかり次第、追記していければと思います。

追記(2021年7月12日)

2021年7月12日のマクロン大統領のスピーチで、より一層パスサニテールの適応範囲を拡大するとのことがありました。具体的には7月21日以降、50人以上集まる « lieux de loisir et de culture » で、8月1日よりレストラン、バー、ショッピングセンター、電車・飛行機内、病院内、お年寄りの住む施設(EHPAD)でパスサニテールが必須となりました。

フランスのパス・サニテール(健康パスポート) まとめ

パス・サニテールについて、以上のようにざっくりまとめてみました。いまだわからないことが多いですが、夏のヴァカンスに向けて、フランス政府は動き出していると言えるでしょう。フランス在住の人々の我慢、ストレスもかなり限界に近づいていそうです。

パス・サニテールによって何かが劇的に良くなるということはないでしょうし、いろいろな問題を含んでいそうですが、それでも新しい制度が上手く機能し、制限続きの生活が少しでも改善したら良いなと思います。また新しい情報がわかったら追記してきます!