【フランス】海外保険は留学に絶対に必要、パリで10日間入院をして思ったこと

【フランス】海外保険は留学に絶対に必要、パリで10日間入院をして思ったこと

ボンジュール、パリパリマセマセのたーしーです。ぼんやりと考え事をしていて、どうしてなのか理由はわかりませんが、以前フランスで入院したことを思い出しました。新型コロナウイルスに対する不安な気持ちが頭に浮かんできたのでしょうか。

いずれにせよ、その入院のときに留学で海外保険は絶対に必要だと思ったので、備忘録をかねてその時の経験を今日はブログに書いてみました。

フランス留学中の病気は突然に……

大の病院嫌いが、フランスの病院に行ってみるまで

私は大の病院嫌いでした。「病は気から」を狂信し、日本にいた頃からなるべく病院には行かないようにしていました。

ほーしー
ほーしー
ねぇ、腰が痛いんなら整骨院に行ってみなよ。
うんうん、今度暇ができたら行くよ。
たーしー
たーしー

当時、こんな風によくほーしーに言われていました。

そんな私でしたが、はじめてパリに着いて数ヶ月立った頃、これまでにない辛い経験をしました。腰や肩など、とにかく身体が痛いしだるいのです。本を読んだりキーボードを叩いたり、とにかく椅子に座っている時間が長いので、はじめは運動不足だろうとたかを括っていました。そこでジョギングを始めてみたり、ヨガを試してみたりしたのですがあまり良い効果は得られませんでした。

ある日、あまりの体調不良に耐えられなくなり、パリの整体に行ってみようと電話してみました。しかし年末ということもあり、残念ながら予約が取れず。何日か後に、友人のつてのおかげでキネでみてもらったり、薬を紹介してもらったりしました。一時は回復したかのように思えたのですが、完治には至らず、つらい日々が続きました。

そしてついに、その日がやってきました。ある朝、両手足の痛みが限界に達しベッドから起き上がることができなくなりました。動くたびに全身に激痛がはしります。一日寝ているわけにもいかないので、無理して歩行を試みるものの、200メートル先に移動するために30分以上かかる始末でした。

そういうわけで、病院で救急受診してもらうことにしました。メトロに乗るのも不可能だったので、タクシーで。病院に着いたのが15時頃。初めてのフランスの病院です。勝手が全くわからないのでドキドキしましたのを覚えています。

フランスの病院での洗礼?

ここでフランスの病院の洗礼を受けることになります。いや、いちおう断っておくと、日本でも救急にかかったことはないので、同じなのかもしれませんが。

先程書いたように、病院に着いたのが15時頃。

たーしー
たーしー
連絡していた者ですが……。

はい、OKです。順番がきたら呼びますので、待合室で待っていてくださいね。
病院の人
病院の人

看護師さんはとても親切でした。しかし、そこから待てども自分の順番がきません。

たーしー
たーしー
15時から待っているんですけど……。

もう少し我慢してくださいね〜。
病院の人
病院の人

と気がつけば日が沈み、あたりも暗くなっています。日本にいたときからの大の病院嫌いがたたって、なにしろ病院の仕組みがわかりません。言われたとおり、とにかく待つしかありませんでした。

結局身体をみてもらい、家に帰れたのは23時頃でした。移動の時間を除き、実に7時間ほど病院にいた計算になります。

さらに、思っていたよりも身体は悪く、通院が必要とのこと。一度医者にみてもらい適切な薬や治療方法を教えてもらえば良くなるだろうという甘い考えは砕け散りました

何度かフランスの病院に通院した結果……

その後も、通院を繰り返すうちに病が完治することを期待していたのですが、いっこうに良くならず。

そして何度目かの通院。痛みのせいで座っていられず、迷惑なのはわかっていたのですが、私は待合室の椅子に横になりうずくまっていました。ちょうどお昼時で、そんな私をみた人たちが口々に「大丈夫?」と聞いてくれます。

たーしー
たーしー
ええ……大丈夫です……。

どうみても大丈夫でない私はそう返事しつつ、ひたすら自分の順番が回ってくるのを待ちます。

そして、もっといろいろな検査が必要だからという理由で、お医者さんから入院を提案されました

パリ郊外の某病院に入院

入院経験のない自分……費用の心配

日本でさえ、入院したことは一度もありませんでした。だから、入院にかかる費用の検討もつきません。

正直フランス政府からの奨学金(当時は767ユーロ/月でした)の収入と日本にいたときに貯めていた僅かな貯金しかない私に、支払い能力があるのかどうかとっても不安でした。

海外保険のおかげでフランスの病院に入院できた

ここで本当に本当に本当に本当にお世話になったのが、日本で加入してきた海外保険でしたキャッシュレスで Prise en charge(支払い保証)してくれるこの海外保険のおかげで、費用を立て替えることなく、入院できたからです。

正直、このときほど保険に入っていて良かったと思ったことはありません。

それから10日ほど病院にお世話になりました。その際、今まで受けたことのなかった様々な検査を経験しました。エコー、MRI(フランス語だと IRM)、その他色々……。車椅子に乗ったのもこのときが始めてでした。これらすべてが、海外保険に加入していたおかげというのは言うまでもありません。

幸運にも薬のおかげで痛みは徐々に緩和され、以前のようにまったく動けない日もなくなりました。

病気・病院にかかわる専門用語の難しさ

ところで、病院でのコミュニケーションはすべてフランス語でした。それは大きな問題ではなかったのですが、それでも病気・病院にかかわる専門用語 « les mots spécifiques » がわからず大変は大変でした。

恥を承知で言えば、その時まで「鎮痛剤」をフランス語で « l’antidouleur » というのも知りませんでしたし、「仙骨」(骨盤の中央にある逆三角形の形をした骨のことで、尾骨の上の、手で触ると硬い部分。フランス語で sacrum) なんて言葉は日本語でも知りませんでした。

痛みは確かにあるのに、それを表すことのできないもどかしさ。これは、この経験以後ずっと考えているテーマのひとつです。

退院後

入院のおかげでひとまず歩けないほどの痛みはおさまったものの、その後も月に何度か通院し、経過をみる必要がありました。

通院のときも海外保険は毎度 Prise en charge(支払い保証)してくれました。海外保険契約は一年で終わりましたが、この期間、かなり支えらました。今でも本当に感謝しています。

フランスで入院した話 その後

その後自分に合う薬も見つかり、身体は徐々に回復へと向かいました。数年経った今も通院はしていますが、当時と比べてだいぶ回数も減りましたし、痛みに悩まされることも稀になりました。

また、ずっとみてもらっているお医者さんも変わらず親切なのでストレスも全然ありません。病気・病院にかかわるフランス語の専門用語 « les mots spécifiques » がわからず大変だったと上に書きましたが、今となってはいい勉強だとさえ前向きに捉えられるほどです。

いまさらこんなブログ記事を書いた主な理由は、海外保険の重要さ、そして広く保険というものの重要さを伝えるため、そして自分がそれを忘れないための二点です。通院や入院が必要になる病気なんて無縁だと私は思っていましたが。しかし、いつどんなときに、自分が病気にかからないとも限りません。そうなってしまったら日本でも不安でしょうし、ましてや海外ならその大きさは計り知れません。そんなときに保険に入っていると、少なくとも金銭面での不安は軽減されるのかなと思います。……と書くと、なんか保険屋さんの回し者みたいですが、身内に知り合いはいませんので(笑)

最後に、自分をいつも支えてくれる周囲の人々への感謝の気持ちも忘れずに生きていけたらなと思います。入院のときにお見舞いにきてくれた友人や、連絡をくれ励ましてくれた友人には今でも本当に感謝しています。もちろん、当時リヨンに住んでいたにもかかわらず仕事を休んで駆けつけてくれたほーしーにも。

ややもすれば横柄になってしまいかねない年齢になりましたが、このときの経験を胸に、謙虚に生きたいものです(なんだこのまとめは)。