【フランス】マクフライ&カーリト (McFly et Carlito)、マクロン大統領からの挑戦状とは?
- 2021/02/24
- フランス生活
ボンジュール、パリパリマセマセのたーしーです。突然ですが、フランスのユーチューバー・マクフライ&カーリト (McFly et Carlito)を知っていますか? 今、あることを理由に全世界で話題になっていますね。今日はこの二人組みを紹介します。
ちなみにユーチューバーはフランス語で、 « youtubeur » といいます。マクフライ&カーリトは二人組だから、 « Les youtubeurs McFly et Carlito » という表記になります。
マクフライ&カーリト (McFly et Carlito)について
マクフライ(Mcfly = David Coscas)とカーリト(Carlito = Raphaël Carlier)はパリ郊外の高校で出会いました。キャリアのはじめ(2013年頃)はテレビに出演していましたが、2014年、ユーチューブチャンネル「ゴールデン・ムスタッシュ Golden Moustache」への出演がきっかけとなり人気を博したとのことです。
その後、2016年には自身のユーチューブチャンネル「マクフライ&カーリト McFly et Carlito」を開設。ユーモアに富んだ歌を中心に投稿し大人気になります。たとえば「J’EFFECTUE LE DAB」という動画は1,900万回以上再生されています!
その後も投稿する動画はいずれもミリオンヒット。500万、1,000万回以上の再生を記録する動画も多く、紛れもなくフランスのトップユーチューバーであると言えるでしょう。チャンネル登録者数 635万人を誇ります(2021年2月23日現在)。
マクロン大統領からの挑戦状!?マクフライ&カーリトの挑戦とは
大統領から、「ジェスト・バリエール」の重要性を説く動画制作の依頼が!
このユーチューバーが世界的に話題になっているのは、マクロン大統領からある依頼が来たからなんです。実は、マクロン大統領はマクフライ&カーリトに「ジェスト・バリエール」の重要性を説く動画制作を依頼したんです。そして、その動画が1,000万再生を達成したら、なんと、エリゼ宮で撮影することを許可するのだとか。エリゼ宮とは、パリ市内にある宮殿であり、現在のフランス共和国大統領官邸のこと。日本の場合、「首相官邸でユーチューブを撮っていいよ〜」という感じでしょうか。
一国の大統領から動画制作を依頼されるなんて、ユーチューバーという職業の影響力の大きさがうかがえますね。
ジェスト・バリエール(Les gestes barrières)って?
「ジェスト・バリエール」とはコロナ禍で頻繁に聞く新しい言葉(néologisme)。要するに、
- ビズや握手をしない
- 石鹸で手をよく洗う
- くしゃみをするときは肘で口を覆う
- 人と集まって何かしない
といった感染防止策のことです。
話題のマクフライ&カーリト (McFly et Carlito)のユーチューブ動画
« Je me souviens » (clip gestes barrières)
そして先日公開された動画がこれです。
タイトルは、« Je me souviens » (clip gestes barrières) で、マクフライとカーリトが「ジェスト・バリエール」について歌うという内容です。
ただ、その内容は普通に「感染対策しよう!」と呼びかけるものではないです。特に冒頭を見ると笑ってしまうと思います。なぜなら、
- 「車乗ったらマスク外すで〜息ができないからね」
- 「消毒ジェルなんて使わないよ、ベタベタするもん」
- 「くしゃみ? 手で口を塞ぐよ。肘って遠いじゃん」
- 「エレベーターにいっぱい人がいても(実際、最大3人の張り紙が貼ってある)、乗っちゃった」
という風に、「ジェスト・バリエール守ってないじゃん!!」とおもわず突っ込みたくなります。
もちろんこのまま終わることなく、サビできちんとジェスト・バリエールの意義を問いています。
Je me souviens de ce monde où les seuls barrières étaient celles dans les champs de vaches (ou de brebis) / Si l’on veut retrouver ces sensations d’hier il faut appliquer les gestes barrières
僕が覚えているこの世界、昔は牛の牧場(か羊の牧場)にしか柵(barrières)がなかったんだけどな。もしこういう昔の気持ちを取り戻したいなら、ジェスト・バリエールをやるしかないな。
面白い歌詞ですね(笑)そもそもジェスト・バリエールの「バリエール」 « barrières » とは、 公園や畑にある「柵」のこと。だから酪農の「柵」とジェスト・バリエールの「バリエール」をかけた言葉遊びをし、前者の「柵」だけあった世界に戻ろうぜ!そのために感染予防を徹底しようぜ!と呼びかけているわけです。
先程も触れましたが、動画の意図するところ(=感染予防の徹底の呼びかけ)を、あえてそれに反すること(=感染予防のための振る舞いを守らない)で表現する「ユーモア」の技法は非常にフランス的だなと思いました。
マクフライ&カーリトの視聴者にメッセージが届き、一刻も早くコロナ禍がおさまるといいですね。※最近こればっか言っている気がする
マクフライ&カーリトのマクロン大統領からの挑戦状 まとめ
いかがだったでしょうか。2021年2月21日に公開され、23日の22時時点で9,804,334 回再生されているマクフライ&カーリトの感染対策の動画。1,000万再生は目前ですね。今後の動向にも注目したいと思います。
余談ですが、若者文化に関しては意識的に追わないと全くついていけなくなるので、なるべくアンテナを張っておきたいです。この発想が、既にオッサンのものなのかもしれませんが……。
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