【フランス語】親子で読みたいバンド・デシネ(BD)のオススメ
- 2021/02/20
- 文学・詩など
ボンジュール、パリパリマセマセのたーしーです。今日はお日様さんさん、青空がとても気持ち良い一日でした。反面、街を歩けばマスクを外している人もちらほら……。もうすぐ冬時間が終わりますが、イースターや夏のヴァカンスに向けて、新型コロナウイルスとのこれからの付き合い方が気になります。
それはともかくとして、最近「ブログ読んでるよ!」と感想をもらえる機会が増えてきました。ずっと更新していなかったのに今になって毎日更新目指して(←結局できていない)記事を投稿しているのですが、やっぱり読んでくれている人がいるというのがわかると嬉しいです。
さて、昨年から今年にかけておめでたい話をよく聞きます。身近な人が親になっていくのを見ていると、なんとも不思議な気持ちになりますが、なによりこちらまで幸せな気持ちになります。そして、そういう話を聞くと、子どもとは、親子とは、家族とは、人生とはという難題について考えなければならない気がしてきます。
そういうわけで、気晴らしに心温まる親子の物語なんかを探しては読んだりしています。そんなある日、一冊のバンド・デシネに出会いました。その内容にとても感動したので、パリマセで紹介してみますね。
親子で読みたい心温まるバンド・デシネ Mon amour
今日紹介するバンド・デシネのタイトルは Mon amour です。
作者はアストリド・デボルド(Astrid Desbordes)。大学で哲学を学んだ後、人文科学や児童書籍の出版に携わっているという作家さんです。とても可愛らしいイラストはポーリーン・マルタン(Pauline Martin)。
フランスでベストセラーとなり、なんと20万部以上も売り上げたとか。その後、世界18カ国で翻訳されているそうです。
調べてみたら、辻仁成訳で日本語版もありました。『ママの小さなたからもの』という題です。私が知らなかっただけで、かなり有名みたいです!
でも、非常に平易なフランス語で書かれているので、フランス語ができる方は原書で読むことをおすすめします。これからフランス語を始めたい、という方にもオススメの一冊です。
内容紹介
あまりネタバレ(?)したくないので、すこーしだけ内容を紹介します。
坊やが寝る前に「ママは僕のこと好き?」という素朴な質問をするところから物語ははじまります。
ごくごく簡単に言ってしまえば、この質問に対して母親が「もちろん大好きよ」と答えていく、という内容なのですが、その母親の答え方が素晴らしい。ひとつだけ、心に残った箇所を引用します。
Je t’aime quand tu écoutes, et quand c’est mon tour.
好きよ、あなたが話を聞いてくれているときも、私が話を聞くときも。
ベタかもしれませんが、「Aというときも、その反対のBというときも好きよ」というのに感動しました。完全さ・全体性を示す「愛」という観点からみたら、別個にみえる行為は、実はコインの表裏というか、陰と陽というか、どちらも同じなんだということを再確認したような気がします。ちょっと大げさですが……(笑)それから、なんとなく、こういう言い回しはフランス語っぽいなと思いました。
先程も書きましたが、このように、非常に平易なフランス語で書かれているので、フランス語ができる方は原書で読むことをおすすめします!
リアル志向の親子のバンド・デシネも多い
それに対して、結構「リアル」(友人曰く、« militant » )なBDも多いです。というか、私の探し方のせいか、初めに見つけたのはそういうものばかり読んでいました。
中でも印象的だったのが、Mères Anonymes というバンド・デシネ。『匿名の母親たち』とでも訳しましょうか。劇中にあらわれる様々な母親が、自身の経験を語るというストーリーです。
Mon amour と異なり、こちらのバンド・デシネでは子どもが生まれた後の家族の関係性に焦点が当てられます。「子供が生まれたら夫が暴力を振るうようになった」「子供がスープのスプーンを投げつけてくる」等々。
Mères Anonymes の一コマでは次のように書かれています。
ねえ、パパとママはね、もう愛し合っていないの……特にパパのほうがね。
なんとも悲しい気持ちになりますが、でもこれもまた一つの現実なんだなと、強く思いました。
親子で読みたい心温まるバンド・デシネ
いかがだったでしょうか。フランスのバンド・デシネは小説のように読み応えのあるものが多くて楽しいです。
また何か読んだらパリマセに書いてみたいと思います 🙂
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