【重要】ポンピドゥー・センター(パリ)は2023年末に閉館! 3年間の大改築工事に入る現代アート美術館のマニアックな紹介

【重要】ポンピドゥー・センター(パリ)は2023年末に閉館! 3年間の大改築工事に入る現代アート美術館のマニアックな紹介

2021年2月1日現在、ポンピドゥー・センターはコロナ規制により現在閉館中です。

ボンジュール、パリパリマセマセのたーしーです。突然ですがみなさん、ここがどこかわかりますか?

ポンピドゥー・センター

そう、パリジャンが大好きなポンピドゥー・センターですね!!!

……ちょっと大げさに言いました。実際は、「あれはパリの景観を損ねているよ」と言われがちなポンピドゥー・センター。友達の一人が「あそこ、ゴミ収集所かと思ってたw」と言っていたのには流石に笑いました。

そんなポンピドゥセンターを私は愛しています。しかし先日、この美術館が大改修工事のため、ポンピドゥセンターは2023年〜27年まで閉館するというニュースが発表されました。長い、長すぎる(T_T)

ということで、フランス旅行のお目当てがポンピドゥー・センターの場合、2023年までに渡仏することをオススメします! さもなくば2027年以降に予定が繰り越しになってしまいますからね……。

大改修工事のため、ポンピドゥー・センターは2023年〜27年まで閉館

1月26日(火)、世界有数の近現代アートミュージアムのポンピドゥー・センター(パリ)は、2023年末から約3年かけて改築工事を行うと発表しました。再オープンは2027年の予定です。

設計を手がけたのは建築家レンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャースおよびチャンフランコ・フランキーニ。2020年末に亡くなられたジスカール・デスタン元大統領がその落成式を行いました。オープンした1977年当初は、デザインが斬新すぎて歴史ある建物が立ち並ぶパリの美観を損ねるなどの批判があったとのこと(冒頭で触れたように、この種の批判は今もあります)。しかしレンゾ・ピアノは「いかめしい文化施設のイメージを破壊したかった。これは芸術と人間のこの上なく自由な関係の夢であり、同時にまた、街の息吹が感じられる場である」と語ったそうです。

オープンからもう40年以上経ち、ポンピドゥー・センターは、その老朽化が外観からもうかがえます。改修工事を開館したまま行うか、閉館して行うかという議論があったようですが、「短い時間でコストも抑えることができるから」という理由で閉館が決断されたとのこと。

2021年2月1日現在、ポンピドゥー・センターはコロナ規制により現在閉館中です。

大規模工事に入る前に、もう一度訪れたいですね

コロナ禍過ぎたら2023年までにポンピドゥー・センターに行こう!!

2021年2月1日現在、ポンピドゥー・センターはコロナ規制により現在閉館中です。

ということで、フランス旅行のお目当てがポンピドゥー・センターの場合、2023年までに渡仏することをオススメします! さもなくば2027年以降に予定が繰り越しになってしまいますからね。

以下では、私なりにポンピドゥー・センターの魅力を紹介してみます。

新型コロナウイウイルスが落ち着き、ポンピドゥー・センターがなるべく早く再開できるよう願っています。

ポンピドゥー・センターのみどころ

常設展示にある近現代絵画の豊富さ

ポンピドゥー・センターの常設展は5階の入り口から入場し見ることができます。5階はいわゆる近代アートで、1905〜1960年までの作品が展示されています。ブラック、ドローネー、デュシャン、デュビュッフェ、ジャコメッティ、カンディンスキー、クレー、レジェ、マティス、ミロ、ピカソ、ポロック等の錚々たる画家たちの作品がたいへん豊富です。5階の展示をじっくりみることで、フォーヴィスム、キュビスム、シュルレアリスム、抽象表現主義といったいわゆる「モダン」な絵画の歴史をざっくりと追うことができるのは非常に嬉しいですね。

パウル・クレーの « Rhythmisches » (1930)
パウル・クレーの « Rhythmisches » (1930)

4階は、1960年以降の作品が展示されていて、ポスター、映像作品、それからインスタレーションといった個性的な作品が見られます。

クロード・リュトーの « A vendre » (1981)
クロード・リュトーの « A vendre » (1981)

現代芸術というと、なんだかややこしく、コンテクスト抜きに作品を楽しむのが難しい印象があるかもしれません。それにもかかわらず「あ、これなんかいいな!」と思える作品がたまにあったりします。ポンピドゥー・センターの魅力は、その圧倒的な作品量のおかげで、そういう自分だけのお気に入りの芸術作品を見つけやすい点にあるかもしれません

企画展が良い!

これは私の好みですが、ポンピドゥー・センターの企画展はいっつも面白いんですよね。企画展は6階のスペース、4階の奥のスペース、中央のスペース、地下、といくつかの場所で行われています。

企画展の魅力というのは、一つは興味のある作家の芸術作品に十分に触れられるという点です。ポンピドゥー・センターの企画展の場合、 2019年3月から2019年5月にかけてルーマニアの作家であるイジドール・イズー展というのがありました。「レトリスム」という運動に大きく関わっているイズーは気になる作家の一人だったですが、この機会に作品を大まかに知ることができて本当に嬉しかったです。とりわけ、文字とイラスト(イメージ)を混合して文章を作り上げる手法が気になりました。

イジドール・イズーの作品
イジドール・イズーの作品

もう一つの魅力は、それまで知らなかった素晴らしい作品との出会いがあるかもしれないという点です。2018年の6月27日から10月29日まで、ロエ・ローゼン(Roee Rosen)というイスラエルのアーティストの展示がありました。それまで彼の作品を全く知らなかったのですが、その方法に非常に惹かれました。ポンピドゥー・センターの企画展では、こういう新しい興味喚起、現代芸術との出会いに溢れていると思います。

シュルレアリスムの法王、アンドレ・ブルトンの部屋の再現

これも完全に私の好みですが、ポンピドゥー・センターの5階にはシュルレアリスムの法王、アンドレ・ブルトンのアトリエがあります(もちろん再現ですが)。

ブルトンはパリのフォンテーヌ通りの42番にあるアパルトマンに、1922年から1966年まで住んでいました。ポンピドゥー・センターで再現されているのは、そこに保管されていた255のオブジェとコレクションです。

ブルトンは人類学やプリミティヴアートに関心があったようです。そのためアフリカやオセアニアからやってきたであろうオブジェが多くコレクションされています。L.H.O.O.Q にはあえて触れないでおきましょう。

アンドレ・ブルトンの部屋(1)
アンドレ・ブルトンの部屋(1)

また鉱物や奇妙なオブジェ(やはり蚤の市で見つけられたのだろうか?)も展示されています。非常にシュルレアリスムっぽいですね。

アンドレ・ブルトンの部屋(2)
アンドレ・ブルトンの部屋(2)

机の上にも「メルヴェイユ」なものだらけですね。あれ、奥の方に……

アンドレ・ブルトンの部屋(3)

フランスのスーパーで誰もが一度は見かけたことのある「松のミツ入りキャンディー」のような箱が!!!

アンドレ・ブルトンの部屋(4)
アンドレ・ブルトンの部屋(4)

もしかしたらパイプタバコの葉かもしれませんが。でもブルトンも La vosgienne のボンボンをなめていたのかな……と想像すると突然親近感がわきますね。


まとめ

2023年末から約3年かけて改築工事に入るポンピドゥー・センター。再オープンは2027年予定とのことなので、現代アート、シュルレアリスム好きの方はそれまでにぜひぜひ行ってみてくださいね 🙂

2021年2月1日現在、ポンピドゥー・センターはコロナ規制により現在閉館中です。