ざる蕎麦、せいろの違い:フランスのガレットとの共通点まで!?
- 2017/04/07
- お菓子史
ボンジュール、パリパリマセマセのほーしーです。
今日は、お菓子の歴史からズレてしまいますが、少し「蕎麦」について書かせてください。
なぜこんな話になったかと言うと、あるキュイジニエの方と日本蕎麦の話になった時、私は恥ずかしながら“ざる蕎麦”と“せいろ蕎麦”の違いが分かりませんでした。
異国の料理やお菓子を学ぶ者が、自国を代表する料理について知らないとはなんたる事か!!!
とお叱りを受け、確かに…おっしゃる通りと慌てて勉強した次第でありました。
“ざる蕎麦”と“せいろ蕎麦”の違い
さて現在一般的に食べられている麺状の蕎麦ですが、本名「蕎麦切り」と言い、江戸時代より前、16世紀の終わり頃には既にこの形状で存在していたと言われています。元々は貧しい農民の為の雑穀でしたが、その後、江戸時代には将軍への献上品とされるほどの栄誉ある食品にまで昇華しました。食べ方としてはせいろにのせてたまま蒸して食べる、蒸しそばが主流だったそうです。
もちろん庶民の間でも蕎麦は人気であり、蕎麦屋は出前の際、蒸した蕎麦をせいろのまま配達しました。せいろは重ねる事ができ大変勝手が良かったのです。
その後、竹ざるに乗せて“ざる蕎麦”として提供しブレイクさせた料亭が出現。ざる盛りはより高級なものと言う認識になり、当時は麺つゆにも差を出して、ざる蕎麦のつゆにはみりんを入れて甘さを付けていました。今ではその差もほとんどなくなり、蕎麦屋で全く同じ器に盛られた“ざる蕎麦”と“せいろ蕎麦”の違いは、麺の上に刻み海苔がのっているかどうか、と言うことになっています。
日本の蕎麦とフランスのガレットの共通点?
奈良時代に日本に伝来したと言われている蕎麦ですが、麺の形になる前は粒のまま粥にしたり、“蕎麦がき”と言って、そば粉をお湯で練り、団子の形状で湯掻いた料理にして食べていました。日本史にデビューしたての蕎麦は、あまり美味しい食べ物とは言えず、農民たちが飢餓をしのぐ為の食べ物でした。
これはフランス、ブルターニュ地方の有名なそば粉料理「ガレット」とも似ている点かもしれません。
ガレットが人々の食生活に根付いたのは、ブルターニュの雨が多く痩せた土地でも”ソバ”が栽培可能な穀物だったからなのです。
そういえば、久しくガレットを頂いていませんね……。フランスで美味しいガレットに出会えるのを心待ちにしています…!!
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