【フランス】パリでスリに遭う人は、きれいでオシャレだからなのか?
- 2023/06/05
- フランス生活
ボンジュール、パリマセのたーしーです。
すごく久しぶりにツイッターのTLを眺めていると、おしゃれなフォロワーさんに対して、「そんな格好しているとスリに狙われますよ」と言っている人たちがいた。
なるほど、と思う一方で、「パリでスリに会う人は、きれいでオシャレだからなのかな?」と自問する自分がいた。そこで、パリでのスリに関する思い出について振り返ってみた。
パリでスリに遭った経験について
そもそもパリマセのふたり、ほーしーとたーしーは、パリ(というかフランス)でスリにあった経験がない。これは非常に幸運なことだと思う。
一方で、スリにあいかけた経験はふたりともある。そしてそれは、いずれもパリのメトロに乗車中に起こったものである。
私の記憶違いでなければ、ほーしーはRER Aに乗車中に、カバンに手を突っ込まれてスマートフォンを盗られそうになったということだったと思う。ほーしーは、「やめろ!」と言ったか周囲に助けを求めたか、どうしたのかははっきり覚えていないが、いずれにしても物を盗られることはなかった。
私に関しては、Ligne 8 に乗車中に、ポケットに手を入れられかけた経験がある。これもまた、幸いにも物を取られるには至らなかった。
それではパリマセのふたりがこうした被害にあいかけたのは、ふたりがきれいでおしゃれな格好をしていたからだったのだろうか。
パリでスリに遭いかけたパリマセのふたりは、きれいでオシャレだったのか?
自分でいうのもなんだが、パリマセのふたりはオシャレである(笑) でもそれは、自分たちが好きな服を着ているという点でオシャレを自認しているに過ぎず、あらゆる他人からオシャレだと思われているような格好をしているとは思っていない。言い換えると、多くの人が羨むような服(たとえばブランド品、希少なヴィンテージ、流行り物等)をパリマセのふたりが着ることは稀である。
回りくどい書き方をしたが、率直に言えば、パリマセのコーディネートをツイッターにアップしたとして「そんな格好しているとスリに狙われますよ」というコメントが寄せられることはほとんどないはずである。そういう格好を私たちはしている。にもかかわらず、そんな私たちもまた、スリにあいかけたことがある。
具体的にどういう目に遭ったのか、私の経験を書いておこう。19時くらいに、メトロ8番線に私は乗り込んだ。車内はなかなかの込み具合だった。私は扉を背に立っており、左手側には小柄の男、右手側には大柄の男がいた。
突然、左手側の小柄の男がフランス語で話しかけてきた。耳につけていたエアポッズを落としたらしい。私は「お前が踏んづけた」と後から言われることを恐れ、一歩も足を動かさずに、何も落ちていないことを確認し相手に告げた。すると、その男はそれまで閉じていた片手を広げ、壊れたエアポッズを見せてきた。
だそうだ。
けれども、すでに書いたように、そう言いがかりをつけられないように注意していたので、
と返答した。この時点でよくあるスリのパターンだと勘づいたため、普段以上に周囲に警戒していた。
すると、右側の大柄の男が、私の右ポケットに手を突っ込もうとしてきた!! 人生で初めての経験だった。そしてそれは、それまで想像していた鮮やかなスリの手つきとは正反対の、力づくで、ともすれば強盗とも呼べるようなやり方だった。
私が大男の手をおさえ、「やめろ!」と言うと、近くにいたマダムが「あんた、私の足を踏んでいるんだけど!!」と怒鳴ってくれた。大男は動きを止め、メトロが停車するやいなや、小男とフランス語以外の言葉で会話しつつメトロを降りていった。ここで、二人が仲間だったと明らかになったのだった。
ちなみにこの日私が着ていたものは、以下のようにジャンパー+黒いズボンという感じで、どうひいき目に見てもきらびやかで目立つ服装とは言えないだろう。
スリに「こいつから盗ろう」と思わせるものに関する推測――言葉と顔
だから、スリのターゲットになるには、格好以上に問題となるなにかがあるように思われる。そして私の印象では、それは言葉と顔なのかなという気がする。
フランス語で会話していない人はフランスに慣れ親しんでいないのだと思われがちだし、アジア的な顔をしている人もまたフランスを観光していたり短期滞在しているのだと思われがちである。実際に何年住んでいようと関係ない。それが自ずと相手には伝わるなんてことはありえないからだ。
もちろん、フランスに観光で来ていたり短期滞在で来ている人が、普段以上にオシャレに気を遣い、多くの人が羨むような服装をしているなんてことは少なくない。けれども私が推察するに、スリが感じ取っているのは、ターゲットの服装以上に、その人の周りに立ち現れるような緩やかな雰囲気・空気なのではないだろうか。
事実、スリに遭いかけたその夜、私はレストランでの食事に気分がウキウキしていた。それが表情にあらわれていたり、声色につけ加えられていたりして、緩んだ雰囲気を身に纏わせていたのだろう。それゆえ、多くの人が羨むような服装ではなかった(と少なくとも私は思う)にもかかわらず、スリの標的にされたのだと考えている。
だから、きらびやかな服装をしていようと、そうでなかろうと、スリに遭う可能性はみなに等しく割り当てられていると私は思う。少なくとも私たちが外国人である限りにおいて。
良くない出来事に巻き込まれ泣きを見ないようにするには、「自分は在仏○○年でフランスに溶け込めているはずなので大丈夫」とか「私は現地風の服装を来ているから問題ない」とか思い込まずに、いつまでも謙虚であり続け、ありうるリスクと向き合うことを意識すべきなのではなかろうか。
【フランス】パリでスリに遭う人は、きれいでオシャレだからなのか? まとめ
冒頭で述べたフォロワーさんもそう答えていたように、大事なのは見た目以上に、警戒を怠らぬことなんだと思う。アジア系の顔で、日本語話者と日本語でやり取りしたり、非フランス語話者と英語でやり取りしたりする場面から逃れることができないのが、パリで暮らす私たちだ。だから、警戒しすぎるくらいでちょうどいいはずだ。
さらに言えば、スリをする人に「こいつならいけるぞ」と思わせないようにしつつも、
・スリがあらわれそうな場所には行かない
・暴力が発生しそうな場所には近づかない
・うろつく時間帯に気をつける
という風に、君子危うきに近寄らずを実践することが一番重要だと思う。
知り合いやフォロワーさんが被害に遭わないよう、心から祈っております……。
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